水引幕
屋台やダンジリの柱の周囲に飾る長幕のことを水引幕といいます。水引幕には金糸・銀糸や色糸を使用して、龍や虎・歴史上の伝説や合戦物・地区に関わりの深い図柄などが刺繍されます。幕の図柄で最も多いのは「阿吽の龍」と「龍虎」で、幕地の色は白か赤が多く、姫路市海岸部に分布する屋台では、幕の中央を括り上げて屋台に取り付け、ここに乗子(太鼓打ち)が座ります。構の水引幕は阿吽の「追い龍」で地布には今では手に入りにくいドイツネルが使われています。淡路の梶内だんじりによる制作です。
追い龍(おいりゅう) 龍は神秘な力を有する想像上の動物。一説には、春分に天に昇り、秋分に淵に潜むといわれ、これをそれぞれ昇り龍・降り龍という。
阿龍と吽龍 阿龍が雌、吽龍が雄で、二頭の龍が一対となることにより「阿吽」を表し、邪気を追い払うと云う意味がある。通常阿龍が如意宝珠を護持し吽龍が剣を持つとされているが、構の水引幕の阿龍・吽龍は、剣・宝珠共に阿龍が持つ。